計画地はニセコ町市街地から2kmほど西の場所で、眼下に尻別川、遠景に羊蹄山、スキー場のあるアンヌプリを眺められる場所であり、周囲は木々で囲まれています。
建主は、この景色を充分に住まいに取り込むことと、木やスチール、コンクリート等の素材感を生かした、モダンなデザインを持つ建築を希望されました。
建物の平面配置は、東の羊蹄山や尻別川の風景を取り込むために、その方向に細長い形態としました。
東の開口はその雄大な景色を望む高さ3.2Mの大開口となっています。対するアプローチ側はプライバシーも考慮した細長い水平窓、最上部のサイドライトは採光と通風を得ながら、屋根は翼のように浮かぶ表現になっています。
建物の構造は鉄骨造で、主要な柱梁以外の床・壁・屋根は木造で構成しています。サッシ間に見える構造柱は90mm角でサッシと同化、構造体の存在を希薄にし、雄大な景色を最大限取り入れる事を目指しました。
外装は、あたたかな表情を持つ道南杉と、シャープな表情を持つ板金を組み合わせ、周囲に林立する木々と同調させるためにランダムな巾を選択、お互いの長所を引き立てあう立面としています。
竣工年月:2016年12月
建設地:ニセコ町
構造:鉄骨造
規模:地上2階
延床面積:207.90m2
構造設計:安藤耕作構造計画事務所
施工:浦野工務店
撮影:GLEN CLAYDON
2018北海鋼機デザインアワード入賞
2018IDA Design Awards Honorable Mention
THE ARCHITECTURE MASTERPRIZE 2018 WINNER